生活用水に使用するなら浅井戸

ひとくちに井戸といっても種類はさまざま。大きく分けると井戸には「浅井戸」と「深井戸」の2種類があり、浅井戸は「打ち込み式」という工法で掘るのが主流です。小さな穴の空いた鉄管を地中に埋め込み、岩盤と呼ばれる硬い層の上に流れている地下水を電動ポンプもしくは手こぎポンプで水を汲み上げます。雨量や周囲の環境変化によって水質や水量が変化しやすいため、飲料水以外の生活用水として利用されることがほとんどです。

飲み水に使用するなら深井戸

深井戸は、固い岩盤の下の地下水を利用するため、安定した水量と水質が保ちやすく、飲料としても活用可能。一年中水温が一定で、夏は冷たく冬は温かいのも特徴です。地表や周囲の環境変化による影響を受けにくいとされていますが、100%安全とは言い切れません。飲料水として使用するならなおさら。年に1回など定期的に水質検査をすることも大切です。

高台や海辺など井戸の設置はどこでも可能

山の上や高台にある住宅街の場合「水脈までいったいどれだけ深く掘れば良いの!?」と思ってしまうかもしれませんが、水脈は深く掘ればあるというものではないため、概ねどこでも井戸を掘ることはできます。高台でも条件さえ整えば井戸の活用は可能です。また、「海の近くだと海水が混ざってしまうのでは…?」と不安に感じている方やあきらめている方もいるでしょう。確かに海水が混ざりやすくはありますが、条件によっては全く海水が混ざらない場合も。例えば、尾道ではあんなに海が近いにも関わらず昔から飲料水として井戸水が活用されてきました。
井戸を掘る際は必ず調査をします。これまで積み重ねた周辺データや経験からある程度の予測ができます。掘りながら何度も水質調査をし、より良い水質・水量を得られる水脈を捜し当てられるかどうかはプロの腕にかかっています。たとえ条件が合わなくても、ろ過システムなどの活用で解決できる場合も多くあります。